大きな声で独り言をつぶやいています。いろんなことに出会って、いろんなことを感じて・・・。


by norinorigami
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

思い出

b0091248_2183564.jpg


夕方のこと。職場のなかをウロウロしていた私は(ウロウロって言っても用事があったんですよ!)ふいに、小さい頃の記憶について考えてしまった。

割と記憶力がいいのか、2歳くらいからのちょっとした出来事を映像付きで覚えている。
だがしかし・・・・その時の感情が思い出せないことが多い。
(あぁ、私って、小さい頃何を感じてたんだろう。思い出せないなぁ。)
そう思いながらウロウロしている。

そうこうしている間に目的地に着き、そして目的を果たし、また自分の部署へ戻る途中、
一番昔の記憶で感情まで思い出せるのって何かを考えた。

すると、感情を思い出せる思い出の多くに登場するのが父方の祖母だった。
彼女は明治生まれの、根性の座った女性だ。
現在は、老人ホームのようなところに入っていて、うっかりすると私のことも忘れてしまう。

その彼女のと思い出の最初は、“おねしょ”。
私の母は、次女を出産する時に実家に帰らなかった。私の時もそうだったらしいのだが。
父の仕事が忙しかったことや、祖母が「私が面倒を見る!」と頑固でいたせいらしい。
まぁ、そんな訳で家から徒歩3分程のところで私たちは産まれた。
産む前や産んだ後は、小さい子供がいるっていう事は大変らしい。
私は、祖母の家に預けられた。
ちょっと前に読んだ本で、少年が小さい頃に祖父母に預けられたのがドモリの原因かも。
と書かれているようなところを読んだのだけれど、私はちっともそんな感じがなかった。
祖母の並外れたパワフルさのお陰だったかもしれない。

いつも祖母と一緒に寝ていた私は、必ずといっていいほど“おねしょ”をしてしまう。
小さいながらに(悪い事したなぁ・・・)と思った感情が蘇ってくる。
私がシュンとしていても、祖母は豪快にシーツを洗い干していく。
布団も干しながら「今日も大きな地図になったねぇ。」と楽しそうに笑う。
私も(本当だ。大きな地図みたいだな)とシュンとしたことを忘れてしまう。

今から思えば長男の嫁と同居していた祖母は嫁に遠慮して、自分で洗ってくれたのかもしれない。(ちょっと涙が出そうになる。)

ある時、父が仕事で行った田舎で“まむし”をもらってきた。蛇のまむしだ。
どうやってもらってきたのかというと、薄水色の一升瓶に焼酎漬にされていた。
薄水色なので中身が見える。(あぁ、怖い!なんでそんなもの置いておくんだろう?)
そうずーっと思っていたある日、祖母が突然家にやってきて、「まむしは焼いて粉々にして飲むと元気になる」と言い、当時我が家にあった、やかんのかけられるストーブの上で焼きだした。
母は「きゃー」と叫んだ。まるで生きているかのように蛇がうごめく。
やがて、真っ黒焦げになった蛇を祖母は灰のように砕き、自分も飲むからと持って帰った。
お陰で私は大の蛇嫌いになった。(うなぎを口にすると、蛇を食べてるような気がしてしまう。)

ある時は、小学校の宿題で戦争時代のことを聞いてきなさいというものがあり、祖母の家へ行き、その事を聞いてみると、いろんな話を聞かせてくれた。だけれど、途中途中口を濁す。
そして、気丈な祖母の目に涙が浮かんでいるのを見たとき、(あっ、聞いちゃいけないことを聞いたのかもしれない。本当に戦争って辛いんだ)と痛感した。

そんなこんなで、祖母とは仲良くしてもらっていたのだけれど、あまりの大胆さに当時本当に大人しくて、本ばかり読んでいた私はやられまくっていた。(今を知る方には信用していただけません)

もう、私もすっかり大きくなったある日のこと。祖母の家の台所に何故か日本地図が貼ってあり、祖母が自分の名前と所縁のある沖縄の小さな小さな島を指してこう言った。「こんな名前の島があるんだよ。おばあちゃん、行ってみたいなぁ。」
働き者で、旅行とかそういう贅沢は苦手な祖母がそう言った事に驚いた。
「いつか行こうね」と言ったまま今に至っている。

私のことも忘れてしまう祖母を思うと、あぁ、連れて行ってあげられたらなぁ。
と思い、もっと祖母孝行したいと、今更ながらしみじみと思う。
[PR]
by norinorigami | 2006-07-13 21:41 | 心から・・・